仏具の処分には供養が必要?仏具の処分方法3選
仏壇や仏具といった品は、現在でも多くの家で大切に扱われています。そうしたたくさんの思いのこもった物でも、遺品整理や実家の整理などに際して、どうしても処分しなくてはならない場合があります。こうした時困ることはいくつかありますが、「仏具をどう扱うか」についても悩むところでしょう。そもそも仏具とは何を指し、仏壇とどう異なるのかも気になるところです。
本記事では、仏具の内容や供養の必要性の有無、また考えられる処分方法について説明しますので、ぜひ参考にしてみてくだい。
仏具に供養は必要か
仏具に含まれるもの
仏具に含まれるものとしては、「香炉(こうろ)」「燈明立(とうみょうたて)」「花立(はなたて)」の3つが代表的です。これらは、合わせて「三具足(みつぐそく)」と呼ばれています(燈明立と花立が一対ずつの場合は「五具足(ごぐそく)」)。このほかにも、おりん、木魚、経典、数珠などが仏具に含まれます。これらの品は、取り換え可能な一般品として扱われるのが通常です。
これに対し、仏像や位牌、遺影、掛け軸などの取り換えがきかないものは、通常仏具としては扱われないようになっています。
仏具に供養は特に必要ない
上で述べたように、仏像や仏壇、位牌、遺影といったものは、仏具と分けて考えられています。これらのものは、購入の際行う「開眼供養(「魂入れ」「お性根入れ」などとも)という法要によって、中に仏様が宿っているとみなされます。
ですので、これらを処分する際は、供養して魂を抜いてからでないとできません。この場合の供養とは、具体的には「閉眼供養」という儀式になります。
一方、仏具の場合はこれとは違い、通常「中に仏様が宿っている」とは考えられていません。そのため、処分に際しても、法要などの特別な儀式は必要ないとされています。そうは言っても、日頃大事にしてきたのでただ捨てるのは気が咎めるという場合は、仏像などと一緒に閉眼供養してもらうことも可能です。
仏具の処分方法
自分で処分する場合
自分で仏具を処分する場合は、通常のゴミと同じ扱いになることを意味するので、住んでいる自治体の分別ルールに従って廃棄処分する必要があります。
一般的なケースで言うと、線香やろうそく、経本、木製の仏膳などは可燃ゴミとして扱われ、そのほかのものは、不燃ゴミとして扱われることが多くなっています。おりんについては、場合によっては真鍮製でリサイクル可能なものもあるので、処分前に素材を確認しておくのが良いでしょう。
具体的な処分方法については、各々の市町村のホームページで確認するか、もしくは直接問い合わせてみるのが確実です。
この方法の一番のメリットは、費用を安く抑えられるということですが、その反面、「気分的に抵抗を感じやすい」「自治体によって回収してくれない場合もある」などのデメリットもあります。
仏具店に引き取ってもらう
仏具を処分する方法としては、仏具店に頼んで引き取ってもらうというものもあります。仏具店は仏壇・仏具を販売するだけでなく、不要となったものの引き取りサービスも行うところが多くなっています。
手順としては、お店に自分で仏具を持ち込み、費用を払って引き取ってもらうというだけで、予約の必要などはありません。引き取られた仏具は、お店が提携している回収業者などに渡され、処分されることとなります。場合によっては、中古品として再利用に回したり、希望に応じてお焚き上げ供養してくれるところもあります。
メリットは手間がかからないということですが、お店によっては「他店で購入したものは引き取り対象外」「仏壇のみ引き取り可能」というところもあり、この点はデメリットに挙げられます。
不用品回収業者に依頼する
仏具の処分方法、3つ目は、「不用品回収業者に処分を依頼する」というものです。
不用品回収を専門に行う業者は、仏具の回収も手がけていますが、こうした業者では、多くの場合、仏具を「特殊処分品」として扱っています。そのため、本来供養の必要がないとされる仏具についても、供養をすすめられるケースが多くなっています。業者によっては、お寺と提携していて供養と処分の両方を頼めるところもあります。ちなみに「遺品回収」と呼ばれる業者も、実質的に不用品回収業者と変わりはありません。
こうした業者に依頼すれば、仏具はもちろん仏壇や位牌などもまとめて引き取ってもらえるので、手間や人目を気にする必要がなく便利です。ただその一方で、費用がかなり高くつくというデメリットもあります。また、誠実に対応してくれる業者ばかりとは限りませんから、依頼前に仏具の取り扱い実績などについてきちんとチェックしておくことも大切です。