「天然水」と「RO水」の違い

ウォーターサーバーの導入を考える際、気になる点はいくつかありますが、「天然水とRO水のどちらを選ぶか」というのもその1つでしょう。やはり毎日口にするものであれば、なるべく自分に合う方を選びたいところですが、それには両者の特徴や違いなどを良く知っておく必要があります。

本記事では、ウォーターサーバーの導入を検討している方のために、天然水とRO水それぞれの特徴や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

天然水とRO水の違い

RO水とは

「RO水」とは、「RO膜処理」という処理が施された水のことです。RO膜は逆浸透膜とも呼ばれる超微細孔のフィルターで、これを用いて水道水などの原水をろ過したものが、RO水になります。この処理によって、水分子以外の不純物はほとんどすべて取り除かれるため、「純水」や「ピュアウォーター」などとも呼ばれます。後述するように、「天然水」とは原水・処理方法ともに大きな違いがあります。

RO水の最大のメリットは清浄性の高さで、ウイルスなども取り除かれるため、安心して飲用や料理などに使うことができます。一方デメリットとしては、ミネラルもなくなるので味わいなどが薄れるという点が挙げられます。

天然水とは

「天然水」とは、ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理方法を用いずに作られた水のことです。特定の水源から採水された水を原水としており、「ナチュラルウォーター」と「ナチュラルミネラルウォーター」の2種類に分けられます。
ちなみに「ミネラルウォーター」は、前述の3つ以外の処理が施される点で、天然水とは違います。

天然水の一番のメリットは、天然のミネラル成分が多く含まれる点です。含まれるミネラルの種類によって、味わいも微妙に変わってきます。もちろん、安全性にも問題はありません。一方デメリットとしては、種類によっては口に合わない可能性もある点が挙げられます。

7つの違い

上ではRO水と天然水の特徴などについてそれぞれ見ましたが、両者は具体的にどのような点が異なるのでしょうか。下に示した表は、RO水と天然水の各要素ごとの比較です。細かいポイントについては、以下の項目で説明していきましょう。

処理方法

まず処理方法を比較すると、RO水がRO膜によるろ過なのに対し、天然水はろ過・沈殿・加熱殺菌という違いがあります。RO膜処理は、0.0001ミクロンの超微細孔フィルターで不純物を取り除く処理方法で、清浄性の高さがメリットです。一方天然水は、必要最低限の処理しか行わないことで、味わいが薄れないというメリットがあります。

原水

続いては原水の違いですが、こちらはRO水が水道水や河川水、地下水を使用する一方で、天然水は特定水源の地下水を使用しています。RO水が身近な水を原水とし、比較的手軽に作れるのに対し、天然水には特定の地下水ならではの豊富なミネラル分が含まれるというメリットがあります。

硬度

硬度の違いについても見てみましょう。水の硬度は、含まれるミネラル成分の量で測られますが、不純物がほぼすべて除去されるRO水の場合は、軟水に分けられます。一方天然水の場合は、原水の種類によって変わりますが、日本では軟水が多くなっています。
軟水は匂いが少ないので飲みやすく、体にも優しいというメリットがあります。

成分

RO水の場合、RO膜処理で不純物が取り除かれることから、基本的に成分は純粋となっています。一方、天然水はこれとは違い、カリウムやカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、ゲルマニウムなどのミネラル成分がそのまま含まれます。
味わいの面では天然水が優れますが、RO水は無味無臭なので料理にも使いやすいというメリットがあります。

安全性

5つ目の比較は、安全性についてです。RO水の場合は何度も述べているように、不純物が含まれないので、安全性はきわめて高くなっています。汚染物質もゼロですから、赤ちゃんのミルクなどにも安心して使えるというメリットがあります。一方天然水の場合も、ろ過や加熱など必要な処理は加えてあるので、基準値を超える汚染物質が含まれる心配はありません。

ボトルの種類

ボトルの種類においても、両者は違いがあります。RO水では、回収して何度も使える「リターナブルボトル」が使われることが多いという特徴があります。こちらは、ゴミが出ない点がメリットです。これに対し天然水では、使い捨てタイプの「ワンウェイボトル」がよく使われるようになっています。

価格

最後は価格の違いですが、RO水はろ過装置と水道水などの原水があればどこでも作れるため、コストが比較的安く、価格もリーズナブルな傾向があります。一方天然水の方は、採水地近くに工場を置く場合が多いこともあり、配送コストなどがかかる分、価格もRO水より高くなりがちです。