天然水とミネラルウォーターの違いは!?原水の主な種類7選
ウォーターサーバーでよく使われるのが、「天然水」と呼ばれる種類の水です。しかしこの「天然水」については、何となくのイメージはあっても、詳しい内容はよく知らないという人も多いでしょう。特に「ミネラルウォーター」との違いや、「どのような所で採れるのか」といったことについては、一般の人にとって分かりづらい部分が少なくありません。
そこで本記事では、「天然水」と「ミネラルウォーター」の違いと、「天然水」の原水の種類について、分かりやすく解説していきたいと思います。
天然水とミネラルウォーターの違い
まず天然水についてですが、こちらは「特定水源の地下水を原水(処理を施す前の水)とする水」を指します。農林水産省の定義では、「天然水」と呼べるのは、「ナチュラルウォーター」と「ナチュラルミネラルウォーター」の2種類のみです。前者は沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行っていない水のことで、後者はそのうち鉱化された(ミネラル分が多く溶け込んだ)地下水を原水とするものを指します。
これに対し「ミネラルウォーター」は、「天然水を原水とする水で、成分調整などが施されたもの」を指します。人工的にミネラル分を加えたり、ばっ気(浄化のために水を空気にさらす行為)などの処理が行われている点が特徴です。
つまり、天然水とミネラルウォーターの違いは、「施される処理の種類」にあると言えます。天然水で施されるのが、沈殿・ろ過・加熱のみなのに対し、ミネラルウォーターでは、それ以外のミネラル調整といった処理も行われるようになっています。
ちなみにウォーターサーバーにおいては、天然水は品質管理などに手間がかかる分、ミネラルウォーターよりも見積り額が高くなる傾向があります。
種類
上で述べたように、天然水とミネラルウォーターは、特定水源の地下水を原水としています。では、その「特定水源」とは、具体的にどのような場所を指すのでしょうか。ここでは、天然水の原水の種類を7つ挙げて、それぞれについて紹介していきましょう。
浅井戸水
天然水の原水の種類、1つ目は「浅井戸水」です。「浅井戸(あさいど)」とは地下10~20mほどの井戸のことで、こうした井戸から汲み上げられた水を、浅井戸水と呼びます。地表に近いという性質上、比較的周辺環境の影響を受けやすくなっています。
深井戸水
続いての天然水の原水は、「深井戸水」です。こちらも上記同様井戸水の一種ですが、深さが40~50m以上で、底が地盤の下まで達した井戸から汲み上げられる水を指します。地上から遠い分、工事にコストがかかりますが、ミネラル分に富み、安全性も高いという特徴があります。
湧水
3種類目の天然水の原水は、「湧水(ゆうすい)」です。こちらは、地下から自然に崖下などの地表へ湧き出た水のことですが、全く人の手が加わっていないとは限らず、掘削などの影響で湧き出たものについても含まれます。湧水の名所としては、熊本県の白川水源や、長崎県の島原湧水群などが挙げられます。
鉱泉水
続いての天然水の原水は、「鉱泉水」です。こちらは自然に湧き出た地下水のうち、水温が25℃未満のもので、かつ含まれるミネラル分によって特徴づけられるものを言います。後述する「鉱水」と紛らわしいところですが、こちらは自然に湧き出てきた水のみを指す点で区別されます。
温泉水
天然水の原水、5つ目の種類は、「温泉水」です。こちらは自然に湧き出た地下水のうち、水温が25℃以上のものか、もしくは温泉法で定められた物質を一定以上含むもののどちらかを指します。日本でも近年は飲泉を行える温泉が増えており、ペットボトル入りのものも販売されていますが、ウォーターサーバーではまだそれほど利用されていません。
伏流水
6つ目に紹介する天然水の原水は、「伏流水」です。こちらは、河川や河川敷の下を流れている地下水になります。河の表面を流れる「表流水」とは違い、地中の砂礫によって自然にろ過されるため、水質が非常に安定しているという特徴があります。
鉱水
天然水の原水の種類、最後に挙げるのは、「鉱水」です。こちらはポンプなどを使って汲み上げた地下水のうち、含まれるミネラルの種類によって特徴づけられるものを指します。前述の「鉱泉水」との違いは、自然に湧き出るのではなく、人工的に汲み上げる点にあります。