玄関網戸のメリット・デメリット9選

玄関網戸のメリット・デメリット9選

網戸は日本固有の文化というわけではないものの、世界的に見ても特別と言ってよいほど広く普及しています。そうした網戸大国の日本において、近年注目度が増しているのが、玄関に取り付ける「玄関網戸」です。一戸建てやマンションのリフォームの際などに後付けされるケースが増えていますが、一体どういう特徴があるのでしょうか。

本記事では、玄関網戸を設置するメリットとデメリットの双方について解説しますので、現在玄関網戸の取り付けを考えている方は参考にしてみてください。

メリット

風通しの良さ

玄関網戸のメリットとして第一に挙げられるのは、「風通しの良さ」です。

室内の換気を効果的に行う上では、風の入口と出口を作ることが重要になります。そのため、窓を一ヵ所だけ開けても不十分ですが、網戸を付けた玄関ドアを開けることで、風の通り道ができて換気をしっかり行えるようになります。

これにより湿気がこもりにくくなるので、カビやダニの発生を防げますし、嫌な匂いがする心配もなくなります。玄関付近は特にそうしたものが発生しやすいので、玄関網戸の設置はメリットが大きいと言えます。

内部をさらさずに玄関を開けられる

玄関網戸設置のメリットには、「家の内部を隠したまま玄関ドアを開けられる」ということも含まれます。

玄関ドアを開放すれば通風が確保できると述べましたが、それでは内部が丸見えになってしまうという心配が出てきます。換気のためとはいえ、同じマンションの住人や通行人に家の中を覗かれるのは避けたいところでしょう。

玄関網戸を設置すれば、かなりの程度その心配を減らすことができます。100%視線を遮ることはできないものの、わざわざ隙間から目を凝らしてまで内部を覗こうとする人は、滅多にいません。一定程度のプライバシーは確保することができます。

虫の侵入を阻む

他人の視線にさらされやすいだけでなく、玄関ドアを開けると虫が入りやすくなるという心配もあります。特に夏場は蚊やハエの侵入が懸念されるところですし、夜ともなれば、光に誘われていろいろな虫が入り込むことが予想されます。

これに対しても、玄関網戸の後付けはメリットがあります。そもそも虫の侵入防止は、網戸の主要な役割の1つであり、それは玄関に設置される場合でも変わりません。網戸で虫の侵入を阻みつつ、外気の取り入れを行うことができます。

安全の確保に役立つ

玄関ドアの開放で心配されることの1つには、セキュリティ面も含まれます。玄関が開け放しになっていれば、当然人の侵入も容易となり、犯罪被害に遭う確率が増します。比較的セキュリティのしっかりしたマンションでもその点は問題ですが、人通りの多い通りに面した一戸建てなどであれば、ますますその心配が高まります。

この問題についても、玄関網戸の設置は一定程度の効果を発揮します。特にセフティールーバーの付いたタイプであれば、内部の様子が窺いにくく、防犯効果も高くなります。もちろん、鍵の施錠も可能です。

子供やペットの事故を防げる

玄関を開け放しにすると、外部から侵入しやすいだけでなく、内部から抜け出やすいという問題も生まれます。これは、ペットや小さい子供のいる家庭にとっては重大な問題です。ほんの少しの時間を開けておいただけでも、知らぬ間に子供が外に出てしまい、事故に遭ってしまうおそれがあります。

玄関網戸は鍵を付けて施錠できるので、こうした問題を防ぐ上でも有効です。玄関ドアを開けても網戸をしっかりロックしておけば、大事な子供やペットを事故の危険から守りやすくなります。

デメリット

邪魔に感じられる部分も

玄関網戸の主なデメリットとしては、「多少邪魔に感じられる部分もある」というものが挙げられます。

海外の一部の地域では、玄関ドアが二重になっているケースもありますが、日本の場合、一枚のドアを開けるだけで家の中に入れることが一般的です。こうした造りに慣れていると、玄関網戸の存在はやや鬱陶しく感じられるかもしれません。ドアを開けて、さらに網戸も開けねばならない状況は、後付けした直後などは特に戸惑いやすいところだと思います。

比較的邪魔になりにくいのは、ルーバータイプに多い中折式の玄関網戸です。しかし、こうしたタイプは壊れやすい上に、修理や交換の費用も高めにつくという問題があります。

開け閉めの手間が必要

「開け閉めするのに手間がかかる」というのも、玄関網戸を後付けするデメリットの1つです。

窓に設置するタイプの網戸であっても、開け閉めの手間を面倒に思う人は多いでしょう。これが玄関となると、そうした印象は一層強まります。外出や帰宅の際いちいち網戸を開けたり閉めたりしなくてはならないのは、うんざりとまではいかなくても、あまり愉快な作業とは言えません。玄関網戸には鍵付きのものも多いため、施錠や開錠の必要が加われば、さらに手間が増えてしまうことになります。

防犯性は十分ではない

メリットの項目で「セキュリティに役立つ」と述べた玄関網戸ですが、その方面で完全に信頼できるわけではありません。

セキュリティ面での玄関網戸の効果は、主に心理的なものです。中の様子を分かりにくくしたり、開けにくくすることで侵入のハードルを上げることはできますが、物理的な面でのセキュリティ機能はそこまで高くありません。本格的に準備や計画をしている相手に対しては、比較的容易に侵入を許してしまう確率が高くなっています。

特に、簡単に網を破れるようなタイプのものは、防犯性はほとんどないものと考えた方が良いでしょう。鍵付きのルーバータイプに交換することで、ある程度防犯性は高められますが、やはり万全ではない点は留意すべきです。

音の問題

玄関網戸には、「騒音問題が発生しやすい」というデメリットもあります。

網戸は外気を取り込むための設備ですから、防音面についてはほとんど配慮されていません。そのため、外の音がほぼ入り放題となっています。特に玄関は、通りに面しているケースが多いため、話し声や車の走行音などさまざまな音が家に響くこととなります。大きな音が苦手な人にとっては、かなりの苦痛でしょう。

反対に、家の中の音が外に漏れやすいという問題もあります。近所迷惑にならないよう、テレビや音楽のボリュームに気を付けなくてはなりませんし、ペットの鳴き声に注意する必要も出てきます。

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