網戸を閉めているのに虫が入る原因と対処法12選
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快適な暮らしを営む上で、虫の存在はあまり歓迎されないものです。特にハエや蚊は、できるだけ室内から遠ざけたいところでしょう。そのための設備として、大抵の住居に網戸が設置されていますが、実際は網戸を閉めていても虫が入ってくるケースが少なくありません。これは一体なぜなのでしょうか。
本記事ではその理由について解説するとともに、具体的な対処法についてもいくつか紹介していきます。現在網戸の修理について検討している方などは、ぜひ参考にしてみてください。
原因
網戸の劣化
網戸を閉めているのに虫が入ってくる原因としては、まず「網戸の劣化」が考えられます。
常に外気に接している網戸には、気候などによる悪影響のリスクがつきまといます。雨や風は網戸に相当の負荷をかけますし、日光が与えるダメージも軽くありません。特に紫外線は、人間の肌と同じように、網戸にとっても破損などをもたらす害となります。網戸だけでなく、窓の周りのゴムパッキンも劣化させ、それによって隙間が生じることもあります。
網戸の耐用年数は、環境などによって異なりますが、一般に5年ほどとされています。これを過ぎると劣化が目立ちだすことが多いので、なるべく速やかな修理・交換が必要となります。
アルミサッシの建て付け等の問題
アルミサッシの建て付けの悪さにより、虫の侵入を許してしまう場合があります。サッシの左右の高さがずれていることで、網戸を閉めていても隙間ができるためです。
また、アルミサッシには「戸車」という部品があり、この状態が虫の侵入と関係している場合もあります。戸車は、サッシ下枠に取り付けられる車輪状のもので、開閉時の動きを良くする役割を持ちます。戸車に異常がなければ気密性も保たれますが、破損などの劣化やゴミが溜まるなどの問題があると、そのせいで網戸に隙間が生じる場合があります。
網目が粗い
網戸の網目の大きさも、虫の侵入と関係があります。
網戸の網目のサイズは一律ではなく、細かさに応じていくつかの種類に分けられます。網目の細かさを表すのは「メッシュ」という単位で、数字が大きいほど網目が細かいことを表します。
一般的には18メッシュ(糸と糸の間隔が1.15㎜)のものが多くなっていますが、こちらは蚊ほどのサイズの虫は防ぐものの、それより小さいコバエなどは防げません。一方、24メッシュ(糸と糸の間隔が0.84㎜)以上になると、大抵の虫を防ぐことができます。
ただ、あまり網目が細かすぎると今度は通気性が悪くなるので、その点も考慮する必要があります。
窓の閉め方が悪い
網戸を閉めているのに虫が入るという現象には、窓の閉め方が関係している場合があります。
最も良くないのが、外側の窓を半開きにすることです。図を見ていただくと分かるように、このような閉め方をすることで網戸と窓の間に隙間ができ、そこから虫の侵入を許してしまうことになります。
風を入れ過ぎたくないなどの理由で、窓の半開きはよくやりがちですが、結果として虫の通路を開けてしまっている可能性があります。図のように、窓は室外側を網戸と反対方向へ全開にするか、もしくは室内側を半開きにするよう心がけましょう。
網戸の設置が正しくない
網戸の設置を自分で行うことは、決して無理ではありません。しかし、その場合設置の仕方に問題が生じることも多く、それが虫の侵入を招く要因となるケースがあります。
比較的ありがちなのは、網戸がレールにしっかり乗っていないケースや、逆向きに設置してしまうケースです。網戸とレールの位置がずれていると、網戸が外れやすくなりますし、本来の向きと逆に取り付けると、網戸に隙間が生じて十分な機能を発揮できなくなってしまいます。
費用面などから自分で張替えようと考える方もいると思いますが、こうしたリスクを考えれば、網戸の修理・交換はなるべく業者に任せるのがおすすめです。
窓を開ける時に入ってくる
網戸や窓に問題がなかったとしても、室内に虫が入ってしまうことはあり得ます。その場合の要因として考えらえるのが、「ちょっとした窓の開け閉め」です。
少しの間窓を開けるという行為は、誰でも日常的に行うものです。洗濯物を干したり取り込んだりする時や、換気の時が代表的でしょう。掃除の際なども、窓を開けることが多くなっています。こうした日常の窓の開け閉めのタイミングで、運悪く虫が入ってしまう可能性は否定できません。
このような場合、原因は窓を開けること自体にあるため、できるだけ窓を開ける時間を短くするのが一番の対処法となります。
対処法
上で紹介したように、網戸を閉めていても虫が入る原因には、さまざまなものがあります。主だった原因について知った後は、対処法について学んでいきましょう。以下のような点に配慮することで、ハエや蚊の侵入を最小限に食い止めることができます。
網戸や窓の掃除を行う
虫の侵入への対処法として効果的なものに、「網戸や窓の掃除」があります。
網戸には閉め金具が存在しないことから、サッシに汚れが溜まっているとしっかり閉めにくくなり、隙間ができる原因となります。そのせいで虫が侵入するケースも多いため、網戸や窓は常にきれいにしておくことが求められます。
網戸と窓の掃除に便利なアイテムが、小型の箒や使い古しの歯ブラシです。また、割りばしにキッチンペーパーを巻き付けたものも、レール掃除に役立ちます。固まって取りにくい汚れに対しては、つまようじを使うと良いでしょう。仕上げにメラニンスポンジで拭きあげれば、完了です。
網戸の修理・張替えを行う
上で述べた通り、網戸の劣化が原因で虫が侵入してくるケースは少なくありません。その場合、網戸の修理や張替えを行うのが、対処法として最善です。
網戸の破れは、小さなものであっても厄介です。蚊などがそこを突破するのは容易ですし、放っておけばどんどん穴は広がっていき、やがて手が付けられなくなります。可能なうちにしっかり修理しておくべきでしょう。
網戸全体にたわみや破損が見られる場合は、全面的な張替えを行う必要があります。比較的扱いやすいポリプロピレン製の網戸であれば、DIYでの張替も可能ですが、リスクや手間を考えると、前述のように業者に頼むのが無難と言えます。
サッシの修理・交換を行う
網の部分だけでなく、フレームとなるサッシについても配慮が必要です。サッシの問題により、虫が入ってしまうこともよくあるためです。
網戸の歪みは、サッシの戸車に起因するケースが多くなっています。戸車の位置がずれることがその原因ですが、ドライバーで調整用のねじをいじることで、それを直すことができます。特にアルミサッシでは歪みが生じやすいので、定期的に調整しましょう。
戸車の劣化が進んでいるなどの場合は、サッシごとの交換が推奨されます。サッシの寿命は20年ほどとされていますが、環境等の要因でそれより早まることもあります。なお、サッシごとの交換は難易度が高いため、DIYはおすすめできません。
モヘアの交換を行う
網戸や窓には、「モヘア」と呼ばれるパーツがあります。これは枠の両側に付いているもので、網戸本体とガラス窓との隙間をふさぎ、虫の侵入を防ぐ役割を持ちます。タイプとしては、ゴムヒレ状のものと毛状のものの2種類があります。
網戸や窓の劣化が虫の侵入の原因となっている場合、直接的にはこのモヘアに問題がある可能性があります。毛がすり減るなどしていれば、虫が入りやすい隙間が生じることとなります。モヘアはそこのみ取り外すことが可能なので、劣化が見られる場合は、交換してみるのも対処法の1つです。
網戸用虫よけスプレーを使用する
これまで説明してきた通り、網戸やサッシの修理・交換などで隙間をふさいだり、窓を無駄に開け閉めしないことは、虫の侵入を防ぐ上で重要です。その一方で、虫を寄せ付けにくくするための工夫にも目を向ける必要があります。
その方面で役に立つのが、「虫よけスプレー」の利用です。虫よけにはさまざまなタイプがありますが、網戸に対し使用するものも多く販売されています。これらには蚊の神経を麻痺させる成分が配合されており、網戸に吹き付けることで、蚊の接近を阻害する効果が得られます。
LEDを使用する
網戸や窓に蚊を寄せ付けなくすることも、虫の侵入への対処法として大事と述べましたが、この点では虫よけスプレー以外にも方法が存在します。その方法とは、LEDの使用です。
虫が光に反応する習性は、街灯に蛾が集まる光景などでおなじみです。実は光によって虫を集めるだけでなく、遠ざけることも可能とされており、LED照明はその点で有望と言われています。詳しいことについてはまだ不明な部分が多いものの、紫外線の少なさが原因ではないかとされています。
ただ、LEDはハエやコガネムシといった虫には効果がある一方で、蚊などに対しては効果がないと言われており、その点は注意が必要になります。