お風呂の臭いの原因と対策6選
ストレス解消の方法は人によって異なるでしょうが、お風呂が1日の大切なリラックスタイムになっているという人も多いと思います。そうした人にとって一番困るのが、「浴室に発生する嫌な臭い」でしょう。悪臭がお風呂場に漂っていれば、せっかくのリラックスタイムも台無しになってしまいます。では、こうした臭いはなぜ発生し、どうすれば解消できるのでしょうか。
本記事では、お風呂に発生する嫌な臭いの原因と対策法についてケースごとに解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
下水臭い・ドブ臭い
お風呂場の悪臭にもいくつかの種類がありますが、その中でも特に多いのが、下水やドブのような臭いがするパターンです。こうした臭いが発生するのには、いくつかの異なる原因があり、それぞれの原因に応じた対策を取らないと、問題は解決しません。以下の項目では、お風呂の下水臭さ・ドブ臭さで考えられる原因と、それぞれの対策法について紹介していきましょう。
ヘアキャッチャーが汚れている場合
お風呂から下水やドブのような臭いがする原因の1つとしては、「ヘアキャッチャーの汚れ」が考えられます。
ヘアキャッチャーは、お風呂の排水口に取り付けてある網目状のパーツで、髪の毛やゴミを捕まえて排水管に流さない役割を持ちます。そうした役割上、この部分には髪の毛や石鹸カスなどが溜まりやすく、放っておくとすぐに髪と汚れが混じり合ったかたまりになってしまいます。この状態でさらに放置すると、雑菌が繁殖してヌメリが生じ、それがドブのような臭いの元となるわけです。ですので、ヘアキャッチャーをきれいにしておくことが、臭い対策としては重要になります。
ヘアキャッチャーの掃除方法は、以下のようなものです。まず浴室用洗剤と歯ブラシ(使い古しでOK)、ゴム手袋を用意します。続いて排水口のカバーを外してヘアキャッチャーを取り出し、付着した髪や石鹸カスなどを取り除きます。それからヘアキャッチャーに浴室用洗剤をかけて、歯ブラシでこすって汚れを落としましょう。ヌメリが付いている時は、ゴミを除去した上で漂白剤をかけ、30分ほど放置すればきれいになります。
なお、ヘアキャッチャーの形状はさまざまで、外し方も場合によって異なります。外しにくいからと言って、無理に力を込めると壊れる可能性もありますから、取り外しは慎重に行ってください。
排水トラップが汚れている場合
「排水トラップの汚れ」も、お風呂の下水臭さやドブ臭さの原因の1つです。
排水トラップとは、お風呂やキッチンなどの排水管の途中にあって、悪臭や害虫の進入を抑える役割を持つ仕組みのことです。中には常時水が溜まっており、正常なら排水管の臭いの逆流を防いでくれます。しかし実際には、排水トラップ自体の汚れから臭いが発生するケースも少なくありません。浴室の排水トラップに溜まっているのは、使用済みのお風呂の水ですから、細かな皮脂や石鹸カスなどが付着しやすい状態にあります。これを放っておけば、上記の場合と同様に、雑菌によるヌメリが発生することになります。
排水トラップの掃除方法としては、まず粉末状の重曹とクエン酸、スポンジ(歯ブラシ)を用意します。そしてヘアキャッチャーや排水トラップのパーツを取り外し、中に溜まっているゴミを取り除きます。続いて重曹(100g)、クエン酸(50g)の順番でふりかけ、さらにコップ1杯のぬるま湯を流してから、5分ほど放置してください。取り外したパーツにも重曹をふりかけて、スポンジ等でこすり洗いしておきましょう。後はパーツを元に戻せば完了です。
臭いがなかなか取れない場合は、パーツのこすり洗いに加えて、漂白剤などに浸け置きしておくと効果的です。
排水管が汚れている場合
上記のような対策を取っても下水の臭いが消えない場合は、排水管の汚れが原因となっている可能性が考えられます。
長期間お風呂を使用することで、排水管に汚れが付着していくケースは珍しくありません。その溜まった汚れやヌメリが、悪臭の原因となるわけです。また場合によっては、排水管が合流する地点にある「排水桝」という設備から悪臭が発生し、これがお風呂場に上がってくるというケースもあります。
排水管の汚れは、軽いものであれば自分で掃除することが可能です。まず液体パイプクリーナーを準備してから、排水口のカバーを外してそこへクリーナーを流します。後は一定時間放置して、水をよく流しておけばOKです。細かい手順や分量などについては、クリーナーの製品ごとの指示に従ってください。臭いだけでなくつまりも生じている場合は、ラバーカップを使うと解消できるかもしれません。
一方、排水管の奥の詰まりや、排水桝の汚れに関しては、素人が自分で対策するのは困難です。専用の機材や専門技術が必要になるので、プロの業者に頼むのが一番でしょう。
もわっとした臭い・酸っぱい臭い
お風呂場でもわっとした臭いや酸っぱい臭いがする場合は、床や壁の汚れが原因となっている可能性があります。
風呂掃除床は浴槽が中心で、床や壁は比較的おざなりになりがちです。しかし、浴室の床は水に浸かりやすい上に、その水には皮脂や垢なども含まれるため、汚れやすさは浴槽と変わりません。もちろん、こうした状況は壁も同様です。このような汚れを放っておけば、やがて汗くさいもわっとした臭いを発するようになります。また、壁と床の間に溜まった水を放置しておくと、ヌメリやカビを生じさせる可能性もあります。
こうした臭いの対策としては、重曹とクエン酸を使った掃除が有効です。まずはスプレーボトルを用意して、その中に300~400mlのぬるま湯と、重曹・クエン酸(重曹2、クエン酸1の割合)を混ぜた液体を入れます。この際には、炭酸ガスの発生を抑えるために、他の容器で少しずつ混ぜ合わせた上でスプレーボトルに移しましょう。準備が済んだら、床や壁にスプレーを吹きかけて15分以上放置し、水で流せばOKです。汚れがひどい場合は、放置時間を数時間にすると、落ちやすくなります。
それでも臭いが取れない場合は、ハウスクリーニング業者に依頼するのがおすすめです。
生臭い
浴室が生臭い場合は、風呂釜の汚れが原因となっている可能性があります。
お風呂は長く使用するうちに、風呂釜に汚れが溜まっていくケースがよくあります。その主な要因となるのが、使用済みのお湯を温める「追い焚き機能」です。使用済みのお湯には髪の毛や垢などが含まれますから、追い焚きすればそれが風呂釜に吸い込まれて蓄積し、やがて生臭い悪臭を発生させるようになるわけです。また、水道水に含まれるミネラルが風呂釜の配管に水垢として付着し、乾燥して蓄積していくというケースもあります。
こうした風呂釜の汚れへの対策としては、市販の専用洗剤を使った掃除が考えられます。1つ穴タイプの場合は、まず風呂釜の穴の5~10㎝上まで水を溜めて、そこへ洗剤を投入します。それから温度を40~50℃に設定して追い焚きし、2~3時間放置してください。そして再び追い焚きし、水を排出した後に、シャワーの水を穴に当てて汚れを洗い流せばOKです。
一方、2つ穴タイプの場合の手順はこれとはやや異なるので、購入した洗剤に記載されている方法に従ってください。
カビ臭い
浴室全体がカビ臭い場合は、換気扇のカビが原因として疑われます。
換気扇は空気を取りこむ際に、その中のホコリも一緒に吸い込んでいます。お風呂のような湿気の多い環境では、このホコリが換気扇に付着しやすく、長期間のうちに汚れが蓄積するケースが少なくありません。これを放置することで、汚れを温床としてカビが発生し、換気扇を回す際浴室にカビ臭さが充満するというわけです。臭いだけでなく、胞子をまき散らして浴室全体にカビを発生させるおそれもあります。
お風呂場の換気扇の掃除方法は、次のようになります。用意するのは、掃除機、中性洗剤、スポンジ、使わない歯ブラシ、バケツ等です。バケツには水を入れ、それに少量の中性洗剤を加えておきます。まず換気扇のカバーを取り外し、フィルターやシロッコファンを取り出してください。次に掃除機を使って、各パーツの汚れを吸い取ります。続いてそのパーツをバケツに入れ、1時間程度浸け置きした後、スポンジ等でこすり洗いしましょう。洗剤を洗い流して乾燥させたら、最後にパーツを元に戻して完了です。
なお、換気扇の掃除には感電などの危険や、故障を招くリスクも付きまといます。ですので、自分でやるのは難しいと感じた場合には、無理に行わずにプロのハウスクリーニング業者に任せた方が良いでしょう。