カビが発生する原因4選と対策4選
快適な暮らしには、きれいで清潔な住宅環境が欠かせませんが、それを邪魔するのが「カビ」の存在です。放っておくといつの間にかさまざまな場所に現れるカビは、見た目に不快なだけでなく、健康にも害を与えるおそれもあります。一体カビはなぜ出現し、どのようにすれば防ぐことができるのでしょうか。
本記事では、カビが家に発生する原因と、その予防法について詳しく紹介していきますので、カビ対策で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
原因
人間が好む温度で育つ
カビが発生する原因には、温度が深く関わっています。
カビは大腸菌などと同じ菌類の一種ですが、菌類は好む温度範囲に応じて、いくつかのグループに分類されます。カビが属するのは、そのうち「中温菌」と呼ばれるグループで、これらは20℃~45℃ほどの環境を好むという特徴を持ちます。つまり、人間が快適に感じる温度が、カビにとっても生育しやすい環境というわけです。
60℃以上の高温になると、ほとんどのカビは死滅しますが、これは人間にとってもダメージです。したがって、温度の調節でカビを抑えるのは、現実的とは言えないでしょう。
家の中のあらゆるものを栄養にする
家の中にたくさん栄養素があるということも、カビが発生する原因の1つです。
カビも生物なので、育つには当然栄養が必要ですが、カビの場合実にさまざまな物質を栄養にできるという特徴があります。ブドウ糖などの糖類から、でんぷんなどの多糖類、果てはホコリや汚れに至るまで、栄養にして育つことができます。
つまり、家の中にはカビが好む栄養があふれているということで、栄養を完全に絶ってカビを根絶するというのは、事実上不可能です。しかし、後述するように、栄養を増やさないよう気を付けることで、ある程度カビの発生を抑えることはできます。
酸素で活動する
カビは、「好気性微生物」に分類される生き物です。好気性微生物とは、酸素に基づく代謝機能を備えた微生物のことで、酸素を使って糖などを酸化することで、活動エネルギーを生み出しています。
つまり、カビは酸素のある環境で活発に活動するということで、これは人間も同様です。当然酸素のない状態であれば、活動もできなくなりますが、そのような状況では人間も生きていくことができません。したがって、この面からカビ対策を取ることも、実際には不可能と言えます。
水分の多い環境を好む
水分の多さもまた、カビが発生する原因の1つに挙げられます。
カビも微生物の一種である以上、活動には水分補給が必須になります。水の存在しない環境でカビは生育することができず、事実周辺の湿度が低下すると、不活性化して増殖しなくなることが明らかとなっています。反対に、湿度が60%以上になると、ほとんどの種類のカビは増殖しやすくなります。
こうした点から見て、湿度をコントロールすることは、カビ対策としてかなり有効であると言うことができます。
対策
上ではカビが発生する4つの原因について見ましたが、では実際にどのようにすれば、カビの発生を抑えることができるのでしょうか。上記の原因を踏まえた上で、ここではハウスクリーニングや換気などのカビを予防する対策を、いくつか紹介していきましょう。
掃除を欠かさない
カビの発生を抑える対策としては、まず「こまめに掃除する」ということが挙げられます。
上で述べたように、カビは糖類からホコリまで、ありとあらゆるものを栄養にして生育するという特徴を持ちます。こうした栄養を全て無くすことはできませんが、こまめな掃除によって栄養源を減らし、ある程度繁殖を抑えることは可能です。
食事の残りカスを放置しないのはもちろん、ホコリや繊維くずも溜めないように、頻繁に部屋を掃除してください。自分で落としにくい汚れなどがある場合は、ハウスクリーニングを依頼するのもおすすめです。
頻繁に換気する
カビの発生を抑える対策、2つ目は、「換気を忘れない」ということです。
これも上で述べたように、カビは湿度の高い環境を好みます。長時間家の中を閉めきったままだと、室内の湿度が上がって、カビの繁殖を招きやすくなります。ですので、一日のうちには必ず何度か換気を心掛けるようにしましょう。
窓を開ける際は、対角線上に2ヵ所開けておくと、風の通り道ができて効果的です。24時間の換気システムがある場合は、積極的に活用してください。また、クローゼットなどの収納についても、時々風を通すようにしましょう。
除湿する
カビの発生を予防する対策、3つ目は、「家の中を除湿する」ということです。
これも原因の項目で述べたことですが、ほとんどのカビは、湿度が60%以上の環境で活発に活動するようになっています。逆に言えば、湿度が60%を超えるのを防げば、カビの繁殖もある程度予防できることになります。
湿度を下げる方法としては、換気以外でも除湿器やエアコンの除湿機能を使うのが有効です。また収納部分や玄関には、除湿剤を置いたり、すのこを敷くなどの方法が考えられます。
インテリアのレイアウトを変える
換気をしてもなかなか湿度が下がらない場合は、インテリアの配置を変えてみるのがおすすめです。換気では空気の通り道を作ることが大事ですが、湿度が下がらない時には、家具などがこの通り道の邪魔をしている可能性が考えられます。ですので、風通しの良いインテリアのレイアウトにすることも、カビの予防対策になります。
たとえば、高さのあるインテリアを換気口から離して置いたり、ソファのような背の低い家具を部屋の中央に置くなどしてみましょう。また、収納スペースには空気の逃げ場ができるよう、なるべく余裕をもたせて物を入れるといった工夫も必要です。