カビの種類と人体に与える影響、種類別の対策4選
カビの種類と人体に与える影響、種類別の対策
大抵の住宅には、人間以外にもさまざまな生物が生息していますが、その中には「カビ」も含まれます。ただ、一口にカビといっても、その種類は1つではなく、実に多岐に及んでいます。カビ対策をする上では、主なカビの種類と、それぞれが人体に及ぼす影響について知っておくことが重要です。
本記事では、代表的なカビの種類とそれらが人体に及ぼす影響、また、それぞれへの対策法について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
カビの種類
カビは微生物の一種で、「真菌類」というキノコと同じグループに属する菌類になります。糸状の菌糸で生活することから、「糸状菌(しじょうきん)」とも呼ばれます。
その種類は非常に多く、少なくとも3万種以上は生息しており、地球上の微生物の30~40%をカビが占めると言われています。その中で私たちに身近な種類としては、「黒カビ」「青カビ」「赤カビ」「緑カビ」などが挙げられます。このうち特によく見かけるのは、「黒カビ」と「青カビ」です。いずれの種類も、放っておけば人体に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
人体への影響
カビは食品などの製造に役立つこともある一方で、前述のように人体に有害な影響を与えることも多くなっています。
種類別の影響としては、「黒カビ」は胞子を吸い込むことでアレルギー症状を引き起こす恐れがあり、「青カビ」は毒性を持って食中毒や癌の原因となる場合があります。「赤カビ」自体には毒性はありませんが、「黒カビ」の餌となって繁殖を招く原因にもなります。「緑カビ」の場合は、吸い込みすぎると腹痛や下痢を引き起こす可能性があります。
黒カビ対策
影響に続いては種類別のカビ対策ですが、まずは「黒カビ」について見ていきましょう。
「黒カビ」は、湿度の高い場所ならどこにでも生える性質があるため、なるべく湿気を抑えることが一番の予防法になります。浴室などの結露が発生しやすい場所は、こまめに換気や掃除をし、乾燥した状態を保つようにしましょう。押し入れなどには、除湿剤を置いたり簀の子を敷くなどの方法が有効です。
「黒カビ」が発生してしまった後は、早い段階ならアルコールで簡単に除去することができます。一方、タイルの目地に発生した場合は、カビ取り剤を使って除去することが必要になります。
青カビ対策
種類別のカビ対策、続いては「青カビ」です。
「青カビ」は食品に生えることで有名ですが、実際には家具やクローゼット、押し入れや衣類にも発生します。梅雨時などには特に発生しやすいため、除湿は念入りにしておくことが予防策として大切です。また、食べカスや皮脂などを栄養源とするため、これらを常に掃除しておくことも重要になります。衣類に関しては、洗濯を欠かさずに、皮脂や汗を残さないようにしましょう。
発生したものについては、「黒カビ」同様アルコールで比較的簡単に除去できるので、見かけたら影響が出る前に早めに対応してください。
赤カビ対策
続いての種類別のカビ対策は、「赤カビ」です。
実際には赤というよりピンク色のカビですが、一般的に見られるものは酵母菌の一種で、繁殖速度が速いという特徴を持ちます。さらに水のみで繁殖できるため、浴室などに生えると、あっという間に増えてしまいます。上記のように「黒カビ」の餌となって、人体に悪影響を及ぼす恐れもあります。
予防には、やはり換気とこまめな掃除が欠かせません。生えてしまったものに関しては、浴室などであれば、塩素系漂白剤で洗い流すのがおすすめです。一方、水で流せない場所であれば、アルコール除菌スプレーを使ってふき取るのが良いでしょう。
緑カビ対策
種類別のカビ対策法、最後は「緑カビ」です。
「緑カビ」は「ツチアオカビ」の名でも知られ、本来は土壌の中に生息しますが、空気中を漂って室内にも侵入し、家具や衣類などに付着して増殖していきます。
影響を抑えるためには、やはりこまめに換気したり掃除したりするのが一番の予防策になります。生えてしまった場合には、こちらも塩素系漂白剤かアルコール除菌スプレーを使って落とすのがおすすめです。壁などを傷めないよう、場所に応じて両者を使い分けるようにしてください。