「ハウスクリーニング」と「家事代行」の違い
「自宅を掃除してくれるサービスを利用したい」と考えた時、多くの人が思い浮かべるのが、「ハウスクリーニング」と「家事代行」の2つでしょう。この2つのサービスは、どちらも同じ業務を行うイメージがありますが、実はさまざまな点で異なっています。要望に合うサービスを受ける上でも、両者の違いについてはしっかり踏まえておきたいところです。
本記事では、「ハウスクリーニング」と「家事代行」の違いについていろいろ解説していきますので、ハウスクリーニングの依頼先を探している方などは、ぜひ参考にしてみてください。
サービス内容・利用目的
ハウスクリーニングと家事代行では、サービスの内容も利用する目的も違います。
ハウスクリーニングはその名の通り、「掃除」に特化したサービスです。床や浴槽などはもちろん、換気扇やエアコンなどの汚れまできっちり落とすのが仕事で、普段の家事では行き届かない箇所を掃除してもらう目的で利用されることが多くなっています。
一方家事代行は、文字通り「家事」を本人に変わって行うというサービスです。仕事には、掃除だけでなく料理や洗濯なども含まれます。利用の目的も、多忙などの理由で家事がおろそかになりがちな人が依頼するケースが多くなっています。
使用する道具
ハウスクリーニングと家事代行では、使用する掃除道具にも違いがあります。
ハウスクリーニングで使われるのは、一般の家庭ではまず見られない専門的な道具類です。高圧洗浄機や床洗浄機などを場所に応じて使い分けるだけでなく、洗剤や洗浄液も、プロ仕様のものを適宜使用します。もちろん、これらの道具は業者側が持参してくるようになっています。
一方、家事代行の場合は、こうした特別な道具は使いません。どこの家庭にもあるような、市販の洗剤やぞうきん、ほうきなどで掃除を行います。さらに道具はスタッフが持ってくるのではなく、その家にあるものを使う場合もあるという違いもあります。
掃除の品質
ハウスクリーニング業者は、前述したように掃除のプロです。換気扇やエアコンなどの複雑な機器の掃除法や、頑固な汚れの落とし方などについて専門的な知識を持っており、特別な道具を使って細かい部分まできれいにできるスキルがあります。つまり、掃除のクオリティは一般の人より各段に高いと言うことができます。
これに対し家事代行は、一応研修や教育を受けているとは言え、基本的には「掃除が得意な一般人」と大きな違いはありません。使用する道具も普通のものですから、掃除の質に関して言えば、ハウスクリーニングよりかなり落ちるのが実状です。
料金形態
ハウスクリーニングと家事代行は、料金形態においても違いがあります。
ハウスクリーニングの場合、時間の制限を受けない料金体系を取ることが多く、基本的に依頼箇所の掃除が終わるまで作業が続きます(時間制のサービスもあり)。
これに対し家事代行では、「1時間の料金×基本時間」といった具合に、利用時間で料金が決まるシステムを取るのが通常です。2~3時間の利用が一般的ですが、依頼者側の指定した時間内でサービスが行われ、必要に応じて延長(延長料金が発生)される仕組みとなっています。
利用頻度
ハウスクリーニングの利用頻度は、ケースによっても違いますが、一般にそれほど高くありません。これは、ハウスクリーニングの依頼がエアコンや換気扇内部といった、めったに掃除しない箇所に比較的集中しやすいことに理由があります。こうした箇所は、1年に1~2回掃除する程度なのが通常です。
一方、家事代行は、日常的な家事を本人に代わって行うという業務の性質上、利用者の要望によっていくらでも頻度が高まるという特徴があります。定期的に利用するケースが多く、週に1度以上頼むという世帯も少なくありません。