賃貸でエアコン工事(設置・交換)をする際のポイント7選
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夏の暑さが年々厳しさを増している現在、エアコンの重要性はますます高まっています。故障など不具合のあるものは交換をし、無い場合は設置しておきたいところですが、賃貸物件でそれをやる際は注意が必要となります。物件を借りている都合上、工事にあたっての制約などについては、事前に明確にしておかなくてはなりません。
本記事では、賃貸物件で取り付け・取り外しや交換といったエアコン工事を行う際に確認しておくべきポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
検討する前に確認すべきポイント
賃貸物件に備え付けられていたエアコンが故障するなどして、取り外しや交換などの必要性が生じた際、まずいくつか確認しておくべきことがあります。ここでは、賃貸物件に備え付けのエアコン工事を検討する際必要な確認事項を、2つ挙げて解説します。
エアコン工事の可否について管理会社等に確認する
賃貸物件で取り付け・取り外しや交換といったエアコン工事をやりたい場合は、先に大家さんや管理会社へ確認しておくことが求められます。
賃貸物件に付属する設備は、通常貸主に所有権があります。そのため、備え付けで設置されていたエアコンが故障したとしても、勝手に取り外しや交換をすることはできません。まずは大家さんや管理会社に連絡し確認を取った上で、それに沿った対応を待つことになります。
なお、連絡後なかなか相応の対応が得られない時は、自分で工事を依頼し、かかった費用を管理会社等に請求することも、場合によっては可能です。
費用負担について契約書の内容を確認する
民法では、賃貸物件の建物や設備に使用収益へ影響するような損傷が発生した場合、賃貸人にその箇所を修繕すべき義務がある旨記載されています。つまり、備え付けのエアコンが故障して修理や取り外し・取り付けといった工事が必要になった場合は、基本的に貸主が費用を負担することとなります。一方、故障について借主の側に過失があった場合は、一般に借主が費用を負担します。
ただ、これらは常にそうと決まっているわけではなく、費用負担について契約書に定めがあった場合は、それに従わなくてはなりません。そのため、事前にその点に関する契約書の内容を確認しておくことも必要になります。
設置前に確認すべきポイント
上では、賃貸物件備え付けのエアコンが故障するなどした際の工事について、事前の確認事項を紹介しました。では、新たに設置したい場合についてはどうなのでしょうか。ここからは、賃貸物件でエアコン取り付け工事を行うにあたり確認しておくべきポイントについて解説します。
エアコンを設置して良いか確認する
賃貸物件は、当事者の一方がその物の使用収益について他方に認め、賃料を徴収することを目的とする物件です。借主は使うことを認められているだけで、建物や部屋の所有権はあくまでオーナー側にあります。そのため、勝手に設備を取り付けるなどはできず、エアコン設置に関しても、事前に大家さんや管理会社に確認し許可を取ることが必要となります。
また、そもそもエアコンの設置が可能な環境かどうかを確認することも重要です。場所の確保が難しい場合などは、設置自体が困難なので、その点もしっかりチェックしておきましょう。
エアコンを設置できる場所を確認する
賃貸物件で新たにエアコン設置の許可が下りたとしても、どこにでも取り付けて構わないわけではありません。エアコンを設置できる場所は基本的に決まっており、それがどの辺か調べておくことも、必要な確認事項の1つとなります。
場所の特定にあたりチェックしておくべきなのは、以下のポイントです。すなわち、「スリーブ(配管穴)がある」「エアコン専用コンセントがある」「壁の下地が補強されている」「屋外に室外機を設置できるスペースがある」の4つになります。
エアコン設置費用はどちらが負担するか確認する
賃貸物件に備え付けのエアコンが故障するなどした場合、修理や交換費用の負担は原則として貸主側が行うと上で述べました。それでは、入居者が許可を得て新たにエアコンを設置する場合、工事費はどちらが負担すべきなのでしょうか。
この場合、基本的には入居者側が工事費用を負担することとなります。ただ契約書の内容次第では、大家さんや管理会社が取り付け費用を出してくれる可能性があるため、負担義務の所在についても、事前にはっきり確認しておいた方が良いでしょう。
退去時の修繕費用について確認する
エアコンには、室内機と室外機をつなぐための配管が付き物で、設置にあたってはそのための壁の穴も必要となります。この「スリーブ穴」は設置場所に用意されているケースが多くなっていますが、絶対ではありません。
スリーブ穴のない賃貸物件にエアコンを取り付けるとなると、許可を得た上で穴を開ける工事が必要ですが、その場合、入居者側には原状回復義務が生じることになります。このケースでは、退去時の修繕費用についても考えておく必要があります。自費で修繕してから出て行くべきなのか、それとも穴を残し修繕費無料で退去して良いのか、それらの点も事前に確認しておいた方が良いでしょう。
借主負担によるエアコンの処理方法について確認する
賃貸物件に入居後、借主が自費で設置した物については、借主側に所有権があります。許可を得て取り付けたエアコンも借主の物となり、退去に際しては、転居先へ持っていくなど処分の責任が生じます。ただ、事情によっては貸主側に買い取ってもらい、残していきたいというケースもあり得ますが、これは可能なのでしょうか。
基本的にはこうしたことはできず、また買取なしに残置して出て行くことも認められません。買取は一般に契約で不可とするケースが多く、さらに原状回復義務があるためです。しかし、大家さんや管理会社の意向によっては、例外的に買取や残して行くことを認めてくれるケースもあります。ですので、その点も一応確認しておきましょう。