エアコンの化粧カバー(配管カバー)の取付相場と必要・不要なケース6選
エアコンへの化粧カバー(配管カバー)の取り付けを検討している方にとって、施工にいくらぐらいかかるのかは、かなり気になるところでしょう。事前にある程度の相場を知っておけば、業者に見積りを出してもらった際、それが妥当な金額かどうか測ることができて便利です。
そこで本記事では、化粧カバー設置にかかる費用の相場を詳しく紹介します。また、化粧カバー設置が必要と言えるケースとその反対のケースについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
相場
エアコンに化粧カバー(配管カバー)を取り付ける際かかる費用の相場は、新設エアコンに対するものか、既設エアコンに対するものかで大きく異なります。見積りチェックの際の参考となるように、それぞれの場合の費用相場について、以下の項目で詳しく解説します。
新設エアコンへ取り付ける場合の相場
新しく導入するエアコンに化粧カバーを取り付ける際の費用相場は、室内用が8,000円~11,000円ほど、室外用が6,000円~9,000円ほどとなっています。つまり合計で、14,000円~20,000円ほどかかると考えられます。
費用の大きさを決める主な要素は、以下の3つです。
1つは「配管の太さ」で、「2分4分」と呼ばれる種類の方が、「2分3分」よりも高額になります。ただ、原則としてこれらを自由に選ぶことはできません。
もう1つは「配管の長さ」で、室内が2m以上、室外が1m以上となると、追加料金の可能性が高まります。
3つ目は「配管が曲がる数」で、コーナー部品が増えるほど追加料金がかかります。
以上を踏まえた細かい相場を紹介すると、室外側2mまでが6,000円~9,000円、室内側1mまでが8,000円~11,000円、室外側の延長が5,000円~6,000円、室外側の折り曲げが1ヵ所につき1,000円~1,500円、室内側の延長・折り曲げが1ヵ所につき1,000円~1,500円となります。見積りをチェックする際は、これらの数字を参考にしてください。
後付けする場合の相場
すでにあるエアコンに化粧カバーを取り付ける場合、配管の配置が問題となります。カバーの取り付けには、それに合わせた配管の配置が必要ですが、カバーのない既設エアコンの配管は通常それに該当しません。そのままだと配管を傷つける可能性が高いので、業者による後付け工事では、一度エアコンを取り外し配管の取り替えと本体の再設置を行った上で、最後にカバーを取り付けるという方法が取られます。
そのため、エアコンの取り外し・取り付けの料金が別途必要となり、トータルでの費用は、新設の場合に比較して格段に高くつくことが多くなっています。
具体的な費用相場を見ると、エアコン取り外しが4,000円~6,000円、取り付けが10,000円~18,000円で、配管カバーの取り付けが室内8,000円~11,000円、室外6,000円~9,000円となります、つまり合計では、28,000円~44,000円ほどかかる計算です。
化粧カバーは必要・不要なケース
上ではエアコンに化粧カバー(配管カバー)を設置する際の費用相場について見ましたが、そもそも化粧カバーの設置を考えるべき状況とはどんなものなのでしょうか。ここからは、化粧カバーの設置が必要と言えるケースとそうでないケースの双方について解説します。
必要なケース
室内・室外の景観を重視したい
エアコンへの化粧カバーの取り付けを強くおすすめできるのが、「室内と室外の景観を第一に考えたい」という場合です。
エアコンの配管類には、通常「テープ巻き上げ」という方法による仕上げが施されます。これは名称通りテープを巻き付けるだけというシンプルなもので、手軽でコストは少ないものの、見た目に関してはあまり配慮されていません。実際に無造作で不格好な印象はぬぐえず、どうしても存在が目についてしまいます。
一方、業者に化粧カバーの取り付けをお願いすれば、そうした外観のマイナスをかなりの程度減らすことができます。配管類はカバーで隠されるので、エアコン周辺の印象を格段にすっきりさせられます。
今後5年以上エアコンの買い替え・移設をしない
エアコンを新設する場合や、既存のエアコンをそのままの形で5年以上使い続けることが確実な場合も、化粧カバーの設置を考えて良いケースと言えます。その理由は、「配管の劣化を抑えられる」ことにあります。
テープ巻きによる仕上げでは、外部の影響から十分に配管類を守ることができません。テープは紫外線に弱く、環境によって異なるものの、耐用年数は5年程度とされています。それ以上放置しておくと、配管類に直接ダメージが及ぶ可能性が出てきます。
近いうちに買い替えや移設をする場合はともかく、今後しばらくその予定がない場合は、思い切って化粧カバーを取り付けて損はないでしょう。
厳しい天候にさらされやすい環境にある
化粧カバーの重要な役割には、「物理的な悪影響から配管類を守る」というものが含まれます。特に、風雨などの天候や地理的な要因から保護する効果は、非常に高いものがあります。
地域によっては、多量の雨や雪にさらされたり、海風が常に吹き付けるなど、比較的厳しい環境に室外機を置かざるを得ない場合もあるでしょう。そうした場合、テープ巻きでは配管類がすぐに劣化してしまう危険がありますが、化粧カバーを施すことで、その心配を大幅に減らせます。
前述のように、買い替え・移設を控えている場合は別として、エアコンを新設する場合などは、早いタイミングで化粧カバーの設置を検討して大丈夫です。
不要のケース
隠蔽配管になっている
エアコンの化粧カバーが確実に不要と言えるのが、「配管が隠蔽配管による取り付けになっている」場合です。
エアコンの隠蔽配管とは、配管類を壁の内側や天井裏などを通過させて設置する施工法のことです。多くの場合、室内機と室外機の距離が離れてしまうなど、建物の構造的な要因で採られる方法となっています。
一般的な「露出配管」と呼ばれる施工法とは異なり、隠蔽配管では、外部に出る配管の割合が極度に少なくなります。つまり、配管に対する見た目や天候の影響をほとんど気にしなくてもよいということで、必然的に化粧カバー設置の理由もほぼ消えることとなります。
配管穴がエアコンの裏にある
こちらは室内側についての話ですが、エアコンの裏に配管穴(スリーブ)がある場合には、化粧カバーを設置する必要はありません。
室内側に化粧カバーを施す理由の大部分は、「露出した配管を目立たなくしたい」ということにあります。配管類を通す配管穴が、室内機からやや離れた場所にある場合、配管の露出も多くなるのでこのケースに当てはまります。しかし、配管穴が室内機の裏側に位置するよう設置できるなら、室内からはほとんど配管が見えないので、化粧カバー設置の理由もなくなります。
2~3年のうちにエアコンの買い替えや移設を行う
上の項目で述べたように、近いうちにエアコンの買い替えや移設を行う場合には、化粧カバーの設置は待った方が賢明です。
化粧カバーの取り付け工事は、エアコン本体や設置場所を替えるごとに行わなくてはなりません。当然ながら、料金もその都度発生することとなります。つまり、直近で交換する予定がありながら既存エアコンに化粧カバーを設置するのは、費用的に見て無駄が多いというわけです。
2年ほどで買い替えや引っ越しを予定しているのであれば、どうしても外観が気になるなどの場合を除き、今の時点でカバー設置を考える必要はないでしょう。