業務用エアコン工事が高くなるケース7選

業務用エアコン工事が高くなるケース7選

業務用エアコンの導入を検討している方にとって、最も心配なことと言えば、やはり費用の問題でしょう。必要な性能は確保しなくてはなりませんが、できるだけコストを抑える形で設置したいところだと思います。しかし、業務用エアコンの設置工事は、さまざまな要因で高くなってしまうケースが少なくありません。それらについてあらかじめ知っておくことは、適切な予算を立てる上で重要です。

本記事では、業務用エアコンの設置工事を高くさせる主なケース7つについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

大馬力のエアコンを設置する場合

業務用エアコンの設置工事で費用が高くなる代表的なケースとしては、「馬力の大きなエアコンを導入する場合」が挙げられます。

業務用エアコンにおける馬力は、空調管理能力の強さを表す単位で、1馬力＝2.8kwになります。シングル（室内機1台）では1.5馬力から10馬力まであり、馬力が大きくなるほど設置の費用もかさみます。
その理由としては、「馬力に応じて冷媒管などのサイズも大きくなる」「馬力に比例して室外機のサイズが増え、運搬コストが上がる」「大馬力では室内機が複数になる場合もあり、その分業者の手間がかかる」といったものが挙げられます。

工事が面倒なタイプを設置する場合

業務用エアコンを設置する環境は一様でないため、それらに対応できるよう、製品にはいくつかのタイプが用意されています。そうしたタイプの違いも、設置工事の費用が高額につく要因の1つに挙げられます。

比較的安い費用で設置できるのは、「壁掛け型」や「床置き型」などです。一方、室内機が天井とフラットになるよう取り付ける「天井埋め込み型」は、施工費がかさみやすいタイプとなっています。室内機を文字通り天井に埋め込まなくてはならないことから、大規模な工事が必要になるためです。また、マルチタイプという複数の室内機を1台の室外機で動かすシステムも、同じく手間の多さから費用が高くつきやすくなっています。

配管類の長さが通常以上などの場合

業務用か家庭用かを問わず、エアコンは通常、室内機と室外機の組み合わせにより稼働します。そして、その2つがどれくらい離れているかも、設置工事の高い・安いに関係してきます。

工事費が高くつくのは、室内機と室外機を離れた場所に設置するケースです。両者は冷媒管などの配管類で繋がれますが、距離が開くほど配管の長さも伸び、その分料金がかかるというのが理由になります。

一般に4～8mまでの配管であれば標準工事に含まれますが、それ以上の距離になると追加料金が発生します。ただ、追加工事の基準は一定というわけではないので、業者ごとに確認が必要です。

また、傾斜が取れずドレン水を外に流せない場合なども、工事に追加費用がかかる可能性があります。

専用の電源がない場合

エアコンは家庭用でも大きな電力を消費しますが、業務用を動かすには、さらに多くの電力が必要です。そのため、家庭用とは別の、専用の電源設備を使うことが多くなっています。それがない場合は、新たに設けるための電気工事を行わなくてはなりません。これもまた、設置費用が高くつく要因の1つとなっています。

そうした電気工事は、対応できる業者に頼むことで、設置工事と合わせて行えます。電気工事にかかる追加費用の相場は2万～3万円ほどですが、分電盤の新設などが必要となる場合、トータルで30万円以上かかるケースもあります。そのため見積りの際には、電源に関する設備状況の確認も必ずお願いしましょう。

室外機を特殊な場所に置く場合

室外機の設置場所の特殊さも、業務用エアコンの工事費用を高くする要因の1つです。

業務用エアコンの室外機は、パワーに応じてサイズも大きく、その分かなりの重量があります。そのため搬入が困難な場所に設置する場合は、オプション工事の対象となるのが一般的です。

2階以上の高所に設置するとなると、クレーン車や追加人員の手配が必要です。費用額は設置する場所で異なりますが、大体1フロアにつき、5,000～10,000円ほどが相場となります。また、壁面に設置する場合や高置設置（地面から底上げする置き方）、屋根上に設置するケースについても、同様に追加料金がかかります。

販売業者と施工業者が別の場合

業務用エアコンをなるべく安い費用で設置するには、販売から施工まで一貫して手掛ける業者に依頼するのがおすすめです。自社工事を提供している販売業者であれば、余計な費用が発生する心配が少なく済むためです。

反対に、設置工事を他業者に任せている販売業者を通すと、費用が高くつく余地が大きくなります。中間マージンが発生しますし、場合によっては見積り以外の追加料金を請求される可能性もあります。複数の業者が関係することで連携に齟齬が生じ、当初の要望と異なる工事を行うケースがあるためです。購入の際には、その点も気を付けて業者を選ぶようにしましょう。

既存のエアコンと入れ替える場合

業務用エアコンを導入するケースは、新規のものばかりではありません。古いエアコンと入れ替えたいというケースも多くなっていますが、この場合もまた、工事費用がかさみやくなっています。

ここで費用を高くさせる要因となるのが、既存のエアコンの撤去と廃棄です。撤去・廃棄にかかる費用は、設置の時と同様に、エアコンのタイプによって変わってきます。シングルタイプの壁掛け型の場合、4万円ほどが相場ですが、マルチタイプの天井埋め込み型だと、撤去・廃棄には20万円ほどかかります。

既存のエアコンの撤去も合わせて実施する場合は、新しいエアコンの設置費用の約2倍はトータルで必要と考えた方が良いでしょう。