障子のメリットとデメリット6選

障子のメリットとデメリット6選

障子は、少なくとも平安時代にまで来歴をさかのぼれる、古い歴史を持った設備です。現代においても、和洋を問わず幅広い趣向の室内で活用されていますが、一体どのような性質があるのでしょうか。身近な存在でありながら、具体的な特徴については意外に知らない部分が少なくありません。

本記事では、障子を設置することのメリットとデメリットの双方について詳しく解説します。現在のお住まいに障子の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

メリット

部屋の明るさを確保できる

障子の大きなメリットと言えるのが、「部屋を適度に明るくできる」ということです。

障子に使われる和紙には、差し込んだ光を拡散させる効果があります。和紙を通過することで四方八方に飛び散った光は、部屋全体に行き渡ります。つまり、室内をムラなく照らせるわけです。

また、和紙には日光を全て通さず、半分ほど遮る性質もあります。直射日光がそのまま差し込むとまぶしすぎますが、障子をフィルターとすることにより、夏の日差しや西日も適度な明るさに調節できます。

断熱効果による保温

障子を設置することには、「断熱効果で室内を温められる」というメリットもあります。

紙が張られただけの障子は、一見するとガラス窓より断熱性は低そうですが、実はそうではありません。
暖房を入れた際、室内の温かい空気は4割ほどが窓などから逃げるとされますが、内障子のある部屋の場合、暖かい空気の流出を2割分減らすことができます。

さらに、障子には外からの熱を遮る効果もあります。これにより、障子のある部屋は、夏でも過ごしやすい気温が保たれます。

種類が豊富

日本古来から使われてきた障子は、現在までにさまざまなバリエーションを生んできました。おなじみなのはシンプルな格子柄のものですが、組子(内部の細い桟木)の組み方にはさまざまな種類があり、中には複雑な柄を形づくるものもあります。また、ガラスや腰板を張ったり、カラフルな紙を使用することも可能です。

このように多様な種類を持つ障子は、どのようなテイストの部屋にも合わせられるという利点があります。和室はもちろんのこと、モダンな洋室に取り入れても、インテリアとして違和感なく溶け込ませることができます。

引き込むことで部屋をすっきり見せられる

戸をスライドさせて壁の中の戸袋にしまい込む「引き込み戸」は、日本家屋では比較的おなじみの仕組みです。障子でもよく使われますが、この引き込み戸は、引き込んだ時に部屋がすっきりとして見えるというメリットがあります。引き違い戸などと違い、開けた際障子が完全に見えなくなるため、ひろびろとした開放感を感じやすくなっています。

また、閉めた際にカーテンのような暗さを感じることがなく、ノブもないのでやはりすっきり見えやすいという特徴もあります。

デメリット

刺激や水に弱い

障子の一番のデメリットと言えるのが、「破れやすさ」でしょう。

基本的に大部分が紙でできている障子は、構造上かなり脆弱であるという難点を抱えています。ちょっとした刺激でも破れやすいので、近くでの動きには注意が必要ですし、水気にも気を配らなくてはなりません。特に小さな子供やペットのいる家庭では、どうしても破れるリスクが高くなってしまいます。

そうしたリスクや張替えの手間を避けたいという場合は、プラスチック製の障子紙を導入するという方法もあります。費用は多少かかりますが、ペットが引っ掻いても破れない耐久性があり、張替えの頻度も減らせます。

手入れが面倒

障子はシンプルな構造ではありますが、手入れは決して簡単ではありません。その点もデメリットに数えられます。

障子は桟の部分にホコリが溜まりやすく、しかもそれを放置していると、黄ばみなどの変色につながってしまいます。日ごろからこまめな手入れが欠かせませんが、水で拭けないので、はたきや綿棒などで丁寧にホコリを落とす必要があります。繊細な作業が苦手な人には、少々厄介でしょう。

また、時間の経過による黄ばみが避けられないことから、定期的に張替える必要も生じます。こうしたメンテナンスも、障子の面倒な点の1つです。

部屋の温度が上昇しすぎることも

メリットの項目で、障子には高い断熱性があり、室内の温度を一定に保てると述べました。これは冬場にはありがたい効果ですが、夏場だと困った事態を引き起こす可能性もあります。

南側や西側に障子を配置している部屋では、夏場の強烈な直射日光が差し込むと、室内温度が上昇しすぎてしまうケースがあります。また、この場合は光の拡散効果もマイナスに働き、室内がまぶしく感じられやすくなります。

こうしたことを防ぎたい場合は、日射遮蔽率の高い断熱障子シートを活用するという方法もあります。

後からの取り付けが困難なことも

引き戸状の建具である障子は、家の構造によっては後からの取り付けができない場合があります。この点もまた、障子のデメリットの1つに挙げられます。

戸をスライドさせることで開閉する障子は、設置にあたって引き込む際のスペースが必要となります。このスペースが確保できない場合、導入自体難しいということになりがちです。引き込み戸にすることで解決できるかもしれませんが、それも困難という場合もあります。

リフォームなどで障子を設置する可能性について少しでも考えているのであれば、設計段階でその点を踏まえた配慮をしておいた方が良いでしょう。

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