障子の張替え費用の相場4選と安く張り替えるコツ3選
和室において、整然とした障子の存在は重要です。しかし、紙でできているがゆえに、定期的な張替えが欠かせないという難点があります。きれいに張替えるのであれば、やはりプロの業者に任せるのが最善ですが、心配なのは費用でしょう。
本記事では、障子の張替えにかかる費用の相場について、紙の種類ごとに紹介していきます。また、張替えをなるべく安く行うためのコツについても解説しますので、現在障子の張替えについて検討している方は参考にしてみてください。
費用相場
普通紙(パルプ障子紙)
障子の張替え費用の相場、まずは普通紙から見てみましょう。
こちらは障子紙としてもっとも一般的な量産型で、パルプ80%以上配合のものになります。
繊維が短いため強度も低く、破れやすいのが難点ですが、安価で吸湿性や通気性に優れるというメリットがあります。1年ほどで劣化するため、張替えはほぼ毎年行う必要があります。
普通紙の張替えを業者に依頼した際かかる費用の相場は、1枚(高さ約180㎝×幅約90㎝以内)あたり2,000円~と、他の種類の紙と比較して手頃です。
ただ、業者に依頼する場合は別に作業料と出張料がかかるので、あらかじめそれらを含めた見積りをしっかりチェックしておきましょう。
強化紙
強化紙は、和紙とプラスチックやビニールなどの素材を組み合わせることで、耐久性を高めてある障子紙です。
強度は商品によって異なりますが、プラスチックが多く配合されたものでは、普通紙の3~5倍にも達します。
強化紙による張替えを業者に依頼した場合の費用相場は、1枚(180㎝×90㎝まで)あたり4,000円~で、他に作業料・出張料がかかります。
普通紙に比べると値が張りますが、その分耐久性が高く長持ちするため、あまり頻繁に障子を張替えたくないというニーズには適しています。
プラスチック障子紙
プラスチックのシートと和紙を使い、強度を上げたものが、プラスチック障子紙です。
「ホームワーロン」と「ワーロンシート」の2種類があり、前者は2枚の和紙で1枚のプラスチックを挟み込んだものを、後者は逆に、2枚のプラスチックで1枚の和紙を挟み込んだものを指します。このうちワーロンシートは、ホームワーロンよりも高い強度を誇ります。
こちらの種類の張替えにかかる費用の相場は、1枚(180㎝×90㎝まで)あたり8,000円~で、業者への依頼では別途作業料と出張料が必要です。
他の種類の障子紙と比べると割高ですが、丈夫で汚れにも強いことから、ペットや小さい子供のいる家庭には向いています。その一方で、通気性に乏しいというデメリットもあります。
高級・機能性障子紙
天然繊維の楮を主原料として、1枚ごとに手漉きで仕上げたものや、パルプに楮、マニラ麻といった長繊維原料を合わせて40%以上配合してあるものなどは、高級障子紙に分類されます。
高級障子紙の張替え費用は、楮和紙の場合で1枚(180㎝×90㎝まで)あたり9,000円~となっています。なお、これらの障子紙はほとんど一般に販売されていないため、張替えはプロの業者に頼む必要があります。
一方、近年は従来の障子紙の欠点をカバーしたり、さまざまな特徴をプラスしてある機能性障子紙も多く出回っています。例えば防炎機能のあるものや、柄入りのものなどですが、これらの張替えにかかる費用は、商品ごとにかなり異なります。
ただ一般的なものであれば、数千円程度で障子4枚分の購入が可能です。
安く張替えるコツ
業者の手による障子張替えにかかる費用は、1枚あたり3,500円~15,000円が相場となっています。障子の張替えは複数枚まとめてという場合が多いため、なるべくコストを抑えたいところですが、それにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは障子を安く張替えるコツについて紹介します。
DIYによる張替え
上で説明したように、業者による障子の張替えでは、紙の費用以外に作業費や出張費がかかります。それらの出費をなくしたい場合は、「DIYによる張替え」という方法が選択可能です。DIYであれば、費用は障子紙と道具に対するもののみで済みます。
障子張替えの手順はそこまで複雑なものではありませんが、簡単というわけでもありません。シワやたるみなくきれいに張るには、それなりの技術や経験が必要です。時間や手間もかかるので、慣れないうちは目立たないところのみDIYし、客間などはプロに任せるなどの工夫をすると良いでしょう。
手頃な値段の障子紙を選ぶ
障子張替えはやはり業者に任せたいが、可能な限り費用を安く抑えたいという場合には、なるべく手頃な値段の障子紙を選ぶという方法もあります。
業者による障子の張替えの費用は、障子紙の種類やグレードの要素に左右される部分が大きくなっています。楮を主原料とする高級品や、ホームワーロンなどの機能性の高いものは、値段が張り気味です。
一方、価格の点で最もお手頃なのは、パルプを主原料とする普通紙です。ただ、普通紙は劣化しやすいため、頻繁な張替えが必要でかえってコストがかさむこともあります。
障子紙の選択は、その点もしっかり考慮した上で行った方が良いでしょう。
相見積もりを取る
障子張り替えを手掛ける業者は、ホームセンターやリフォーム会社、建具店や工務店、畳店など世間に多くあります。そのそれぞれで料金体系は異なっており、どこに頼むかで実際に支払う費用が変わってきます。
そのため、複数の業者から見積りを取って比較することは、コストを抑える上で非常に重要な意味を持ちます。業者によっては下請けへの発注でマージンを取るところもありますが、相見積もりによりそうしたケースも見極めやすくなります。