畳の掃除の仕方とひどい汚れの対処法11選、注意点4選

畳の掃除の仕方とひどい汚れの対処法11選、注意点4選

多くの日本人にとって、畳の間は心安らぐ空間ですが、快適さを維持するには日々の掃除が欠かせません。しかし、誤ったやり方で掃除を行うと、却って畳の寿命を減らすことにつながります。漫然と掃除するのではなく、正しい方法を心がけるのが大切ですが、具体的にどうすればよいのでしょうか。また、目立つ汚れができた際の対処法についても知りたいところです。

本記事では、畳掃除の適切なやり方と、ひどい汚れの対処法、さらに掃除の際避けるべきポイントについても解説しますので、参考にしてみてください。

掃除の仕方

畳の目に沿わせる

畳掃除の基本と言えるのが、「目に沿って行う」というものです。

畳の「目」とは、畳表の編み目を指します。畳表はイグサなどを編んで作られる、文字通り畳の表面側の部位で、その編み目は畳縁と垂直の方向に出来るようになっています。畳の目に逆らうように掃除することは、繊維を傷めてしまうことにつながり、さらには隙間にゴミが入り込むなどの弊害をもたらします。

そのため、掃除の際は常に目の方向を意識しなくてはなりません。ほうきで掃いたり掃除機をかける時は、まず目がどちらに向いているか確認してから行うようにしましょう。

1畳につき1分ほどはかける

畳の掃除にあたっては、時間も大切な要素となります。

時間と言っても、意識するのは素早さではなくゆっくりさです。掃除はなるべくテキパキ終わらせたいところですが、スピードばかりを求めると、十分な効果がありません。畳は隙間にゴミが入り込むケースが多く、通り一遍の掃除でそれらをしっかり取り除くのは無理です。ある程度時間をかけて、ようやくきれいにすることができます。

具体的には、畳1枚につき1分ほど費やすよう心がけましょう。掃除機掛けの際は、一定の速度でていねいに、畳の面全体をムラなく掛けてください。

仕上げは乾拭きで

ほうきや掃除機であらかたゴミを除去したら、雑巾がけで仕上げとなります。その際は、乾拭きをするのが基本です。

畳には、周囲の湿度の変化に応じて水分の吸収や放出を行う調湿機能があり、少々の水気なら問題なく内部に取り込むことができます。しかし、湿気が多すぎる場合は別で、許容範囲を超えて水分が溜まると、カビ発生などの問題が起きることとなります。そのため、掃除の際は極力水は使わず、雑巾がけも乾拭きが原則となります。

場合により、固く絞った雑巾で水拭きというのは可能ですが、その際も最後はかならず乾拭きして、なるべく水分を残さないようにしましょう。

【道具別】掃除の仕方

畳を掃除するにあたっての基本ルールは上記の通りですが、より細かいやり方も知りたいところです。畳掃除にはいくつかの道具が適用できますが、それらは具体的にどう使うべきなのでしょうか。
ここからは、道具別の畳の掃除の仕方についてそれぞれ解説します。

掃除機

日常で最もよく使う掃除道具と言えば掃除機ですが、もちろん畳掃除でも使用することができます。掃除機による畳掃除は、下の方に入り込んだホコリまで吸い込める点がメリットになります。

掃除機掛けの際の一番の注意事項は、先述のように「畳の目に沿って行う」ということです。目と同じ方向にゆっくりと動かせば、傷を作るおそれもなく、ホコリを効率的に吸い取ることができます。また、畳表と畳縁はそれぞれ分けて掛けることも大切です。区別なく一気にかけると、両者の間の段差に引っ掛かり、畳を傷めるおそれがあります。掃除機の機能に「畳専用」のモードがある場合は、そちらを使ってみるのもおすすめです。

ほうき

ほうきは、畳掃除で昔から使われてきたアイテムです。ほうきで掃くことで、畳の目に詰まったゴミもしっかり掻き出すことが可能となります。

ほうきの使い方も、基本は掃除機と同じで、「畳の目に沿って丁寧に行う」というものになります。ほうきは掃除機と比較すると、畳を傷める危険は少なくなっていますが、それでも目に逆らって掃くのはよくありません。また、強く押し付けるのも禁物です。掃く際は、軽く畳に当てて前後に動かすのが基本となります。

ほうきと出がらしのお茶を組み合わせる方法もあります。あく抜きして固く絞った出がらしのお茶っ葉を畳に撒き、その後ほうきで掃くことで、ホコリが取れやすくなります。その後の乾拭きも、忘れないようにしましょう。

フローリングワイパー

フローリングワイパーというと、名前からフローリング専用の道具と思いがちですが、畳掃除にも使うことができます。

こちらもまた、基本的なやり方は掃除機やほうきと変わりません。目に沿って丁寧に掛けることで、傷をつけずに畳表面のホコリや髪の毛などを取り除くことができます。商品の中には、畳掃除用のシートもあるので、そうしたものを使ってみるのも良いでしょう。

ただ、フローリングワイパーだけで畳の奥に詰まったゴミを除去するのは困難です。普段の掃除なら単体でも十分ですが、そればかりだと奥側に汚れが溜まってしまうため、定期的な掃除機掛けや掃き掃除が不可欠となります。

【汚れ別】掃除の仕方

ここまで日常的な畳の掃除の仕方について紹介してきましたが、飲食物をこぼすなどの非常事態が発生した際には、どのような掃除法で対応すべきなのでしょうか。ここからは、畳についた特殊な汚れの種類別に、正しい掃除のやり方について解説していきます。

飲食物をこぼした場合

畳に食べ物や飲み物がこぼれてしまったら、すぐに対応することが肝心です。時間を置いてしまうと、シミとなって残るおそれがあります。

まずは、こぼした食べ物・飲み物を素早く拭き取りましょう。その際は汚れが広がらないよう、乾いたタオルや雑巾を上から軽く押し当てるのがポイントです。続いて、汚れた部分に塩(小麦粉やベビーパウダーなども可)を振りかけます。しばらく置くと塩が水分を吸い取るので、十分湿ったのを確認してから、歯ブラシで畳の目に沿って優しくこすってください。あらかた汚れが落ちたら、掃除機を掛けて塩を吸い取り、最後に固く絞った雑巾で拭いて完了となります。

ダニが発生した場合

先にも触れた通り、畳には調湿機能があり、湿度が高い時は水気を吸収し、低い時はそれを放出する働きを示します。これにより、室内の湿度が一定に保たれるのですが、湿気を吸い込みやすい性質は畳にとってマイナスでもあります。ダニの発生を促しやすいためで、一度そうなれば、すぐに対処しなくてはなりません。放置すると、最終的に張替えしか解決方法がなくなってしまいます。

ダニ発生時の掃除法としては、天日干しが最も効果的です。その際畳を取り外す必要がありますが、自身で行うのが難しければ、業者に頼む方法もあります。

カビが生えた場合

湿気を溜め込みやすい畳の性質は、カビ発生の危険度も増加させます。

カビが発生してしまった場合、表面を拭き取ったとしても、根絶させることはできません。見えない菌糸が残るためです。そこで、消毒用エタノールを使う必要が出てきます。

やり方は、まずエタノールをスプレーボトルに入れ、カビの発生個所に直接噴霧します。その後20分ほど放置したら、再度エタノールを噴きかけて、乾いた雑巾で拭き取りましょう。カビが畳の目に詰まっている場合は、歯ブラシで掻き出してください。なお、その際も畳の目に沿って、ていねいに行うことが大切です。その後またエタノールをかけて、別のきれいな雑巾で乾拭きして終了です。

日焼けしている場合

出来たばかりの畳は緑色をしていますが、年を経るごとに茶色く変色していくことがあります。「日焼け」と呼ばれる現象ですが、その対応策となる掃除の仕方があります。

畳の日焼けに効果的なのは、クエン酸を用いる方法です。まず、バケツにぬるま湯を張り、その中にクエン酸を入れて10倍に薄めます。続いてそこへ雑巾を浸し、固く絞ってから、畳の目に沿って拭きましょう。クエン酸はアルカリ性の汚れに強く、ニオイを抑える効果があり、日焼けも完全に元通りとはいかないものの、ある程度回復が望めます。ただ、場合によっては却ってカビの原因となることもあるので、実施の際は慎重に行ってください。

焦げ目ができた場合

タバコなどが原因で、畳に焦げ目がついてしまうことがあります。こうした場合、対処法となる掃除のやり方はあるのでしょうか。

できてすぐのタイミングでの、応急処置の方法について紹介しましょう。この場合、過酸化水素水(オキシドール)を使うのが有効です。オキシドールと脱脂綿(またはティッシュ)を用意し、前者を後者に含ませて、それで焦げ跡を軽くたたきます。こうすることにより、焦げ目を漂白して色を目立たなくすることができます。あまり変化がない場合は、紙やすりなどで焦げ目を軽く擦り、再度オキシドールを使うと、かなり効果が出るはずです。

注意点

畳の日常の掃除法から、非常時の掃除法までいろいろ見てきました。一方、畳掃除には避けた方が良いやり方というものも、いくつか存在します。うかつにやると張替え時期を早める結果にもなりかねない方法ですが、具体的にはどういったものなのか、以下で紹介しましょう。

重曹の使用は不可

重曹は弱アルカリの性質を持ち、酸性の汚れに対し効果があることから、掃除の際用いられることが多くなっています。しかし、畳に対しては使えません。

その理由は、畳表のイグサにあります。イグサが重曹の成分に反応することで、黄色く変色してしまうため、畳掃除では使用不可とされています。さらに、成分が残ると、斑点のような黒いシミがついてしまうこともあります。一度変色したら元には戻せず、根本的に解決しようと思えば、表替えなどの張替えしか方法はありません。同じく変色の危険で重曹が使えない物としては、アルミや銅製品があります。

カビ取り剤・漂白剤の使用は要注意

畳にカビが生えてしまった場合、「カビ取り剤が効くのでは」という考えが浮かぶかもしれません。しかし、これも極力避けた方がよい方法になります。

カビ取り剤の多くは塩素を主な成分としていますが、塩素は畳にとってかなり強い刺激をもたらします。変色や傷みの原因となる場合もあるので、基本的に使用は控えるべきでしょう。

同じ理由で、塩素系漂白剤の使用にも注意が必要になります。キッチン用漂白剤を200倍以上薄めて使うやり方もありますが、あまりおすすめできません。それでも実施する際は、最初に目立たない箇所で試すのが適切です。

ロボット掃除機の使用も避ける

自動で床面のゴミを吸い取ってくれるロボット掃除機は、便利な掃除アイテムとして幅広く活用されています。畳掃除に使いたいと思う方も多いでしょうが、残念ながらそちらには向きません。

なぜならば、ロボット掃除機の動きが畳掃除に適さないからです。ロボット掃除機は、センサーで周囲の状況を読み取り、自動的に最適なコースを割り出せますが、細かい動きの制御はできません。前述のように、畳の掃除では目に沿うことが重要なものの、現在のロボット掃除機にそうした動きを期待するのは無理となっています。畳の寿命を第一に考えるなら、やはりほうき等で掃除するのが一番と言えます。

カーペットクリーナーによるホコリ取りも不可

俗に「コロコロ」と呼ばれる粘着カーペットクリーナーもまた、畳掃除で使用を控えた方が良い道具の1つです。

カーペットクリーナーは、粘着シートを貼った筒を転がすだけで、ホコリや髪の毛を除去してくれます。カーペットやフローリングの掃除には大きな効果を発揮しますが、畳には向きません。シートの粘着力は、比較的弱めに設定されているものの、それでもイグサにとっては強すぎるためです。畳の上で転がすと、粘着シートがイグサを引っ張り、ささくれや毛羽立ちを作る危険が高まります。特に畳に傷みが出始めてから使うと、余計に状況を悪化させてしまうため、絶対に避けましょう。

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