遺品整理を選ぶ際に確認するべき資格や許認可4選

遺品整理を選ぶ際に確認するべき資格や許認可

近年急激に需要が高まっている遺品整理サービスですが、中にはどさくさに紛れていい加減な形の営業をしている業者も存在します。そうした業者に依頼してトラブルに巻き込まれないためにも、きちんとした業者を見分けたいところですが、その際にポイントとなるのが「適正な資格や認可の有無」です。遺品整理業務には、いくつか必要な認可や質を保証する資格があり、それらについて確認することが、安全な業者を選ぶ手がかりとなります。

本記事ではそうした資格・認可を紹介しますので、現在遺品整理を考えている方などは、ぜひ参考にしてみてくだい。

遺品整理士

遺品整理を依頼する際に確認しておいた方が良い資格、1つ目は「遺品整理士」です。遺品整理士とは、一般社団法人遺品整理士認定協会による認定資格になります。

遺品整理業務は、ただの不用品回収とは違い、故人の遺品という特別な品物を扱う仕事です。中には遺族にとって思い出深い物や貴重品なども含まれますから、それらを適正に扱える知識や心構えがなくては務まりません。遺品整理士の資格は、そうした遺品整理業務に求められる知識・ノウハウを持つと認められた人物に対し与えられるようになっています。

ですから、これを取得した業者に依頼すれば、大切な遺品を適切に扱ってもらうとともに、円滑な作業を期待することもできます。遺品整理業務に必ずしも必要な資格ではありませんし、民間資格でもありますが、あれば安心感が増すことは間違いありません。

一般廃棄物収集運搬業許可証

遺品整理業者の主な業務は「遺品の整理」ですが、整理した遺品の中に含まれる不用品については、回収して処分に回すことになります。この業務を行うにあたっては、「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要になりますが、これを持たないまま不用品回収業務を行っている業者も多くなっています。新規の許可を得るのが極めて難しいことが原因ですが、本来これは無許可営業で、違法行為にあたります。

ですので、依頼を考えている業者がこの許可を得ているかどうか、問い合わせ等で確認しておくことが大切です。

これについては、各市町村の担当部署でも確認できます。ただ、中にはこの許可を持つ外部の業者に回収を委託しているケースもあるので、該当業者自体の認可の確認が取れない場合は、その点について質問してみるのも良いでしょう。

産業廃棄物収集運搬業許可証

廃棄物は、「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の2種類に大別され、前者は会社や工場などの事業活動に伴って排出されるものを、後者は一般家庭などから排出されるものを指します。

「産業廃棄物収集運搬業許可」は、このうち産業廃棄物を回収するために必要な認可です。
本来遺品整理業務で必要になるのは「一般廃棄物収集運搬業許可」ですが、実際はこちらの方を取得する業者が多くなっています。これは前述のように、「一般～」の認可を得るのが極めて難しいためです。

その場合、業者は遺品を一旦買い取って倉庫に収めた後で、不用品を産業廃棄物として処分に回す形を取っています。この形であれば、「産業廃棄物収集運搬業許可」があればとりあえずOKということになります。
中には「産業～」の認可しか持たないにもかかわらず、遺品を不用品として直接回収する業者もあるので、見積もり依頼の際などにその点についてよく確認しておいた方が良いでしょう。

古物商許可証

「古物商許可証」も、遺品整理業者を選ぶ際に確認しておいた方が良い認可になります。

遺品の中には不用品だけでなく、お金に換算する価値のある物が含まれる場合も多くなっています。たとえば骨董品や貴金属類などですが、こうした物について、できるだけ売却を望む依頼者は大勢います。そうしたニーズに対し、遺品整理と同時に、リサイクル目的での買取を手がけている業者も少なくありません。

このようなサービスは、「古物営業」と呼ばれる業務に該当し、営業にあたっては「古物商許可」という認可が必要になります。無許可で営業した場合、「3年以下の懲役」か「100万円以下の罰金」、あるいはこの双方が科せられる可能性があります。
ですので、遺品の買取を謳う業者に対しては、この許可の所持について確認しておきましょう。