DVDへダビングするメリット6選

DVDへダビングするメリット
1950年代に開発されたビデオテープは、70年代後半から爆発的に普及し、デジタルメディアにその座を奪われるまで多方面で利用されました。現在、そうしたテープ類に対しダビングの必要性を説く声が強まっており、実際に業者に依頼するケースが増えています。しかし、そのように古いビデオテープをダビングすることには、一体どのような利点があるのでしょうか。
本記事では、DVDへのダビングのメリットについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
世代を超えて記憶を共有できる
VHSやベータ、8㎜ビデオなどをダビングするメリットとしてまず挙げられるのが、「世代を超えた記憶の共有が可能」という点です。
ビデオテープは、1970年代後半に安価な家庭用デッキが登場したことで普及しました。その後90年代までにさまざまな用途で利用されましたが、2000年代に入ると、急速にデジタルメディアに取って代わられるようになります。現在はビデオデッキの生産が終了している上に、磁気テープの劣化問題もあって、2025年までにビデオテープでの視聴不能となる危険があるとされています。
そのままでは、貴重な録画や家族の思い出の映像が消えてしまうわけですが、その前にダビングをしておくことで、次の世代へと記憶をつなぐことができます。
保管場所の削減に役立つ
ビデオテープをDVDにダビングするメリット、2点目は「保管場所の削減」です。
一般的なビデオ規格であるVHSのカセットテープは、長辺188㎜、短辺104㎜、厚さ25㎜と、かなり大きめです。携帯カメラ用の8㎜ビデオは、VHSと比較するとかなり小さめですが、それでも長辺95㎜、短辺62.5㎜、厚さ15㎜の大きさがあります。
これほどの大きさだと、どうしても保管に場所を取ってしまいがちです。
一方、DVDの大きさは直径12㎝、厚さ1.2㎜しかありません。また、厳密な比較はできないものの、記録容量もDVDの方が大きめです。そのため、保管スペースを格段に小さくすることができます。
長期的な保存が可能
ビデオテープは、磁気による映像記録媒体です。テープには磁性体という金属酸化物が塗布されており、この部分が磁化されることで、映像と音声が記録される仕組みとなっています。記録されたテープ上の情報は、磁気ヘッドで読み取られ、再び映像と音声として出力されます。
このように、ビデオテープは磁性体の磁力を活かして録画・再生を行いますが、その磁力には時間的な制約があります。寿命は10年ほどとされており、あまりに古いテープだと、再生できないおそれが高まります。
DVDにも寿命はありますが、ビデオテープに比べれば格段に長持ちです(中には30年以上持つものも)。ですからダビングしておくことで、記録の保持時間を大幅に延ばすことができます。
編集・加工が容易になる
ビデオテープをDVDにダビングすることで、「クリエイティブな編集や加工がしやすくなる」というメリットも得られます。
過去の記録素材を使って、新しい作品を作りたいという場合もあるでしょう。たとえば、家族の歩みをダイジェストでまとめるといったケースです。こうした時、ビデオテープのままだと大掛かりな編集機材が必要であり、現実的ではありません。
一方、DVDにダビングしてしまえば、デジタルデータとして簡単に手が加えられるようになります。編集用のソフトを使って切り張りや字幕挿入等自由なので、素早くイメージ通りの映像に仕上げることができます。
素材の管理がしやすくなる
ビデオテープの難点として、「録画素材の管理がしにくい」ということがあります。どのテープに何の映像が入っているのか、大まかなことは分かっても、細かな把握はできないケースがほとんどでしょう。また、前述のように編集が難しいので、順番を並べ替えるといったこともできません。
こうした問題についても、業者に頼んでDVDへダビングしてもらうことで、解決することができます。デジタルデータにしてしまえば、日付やイベントなどに応じて内容をまとめたり、お気に入りのシーンをタグ付けするといったことが簡単に行えます。
デッキの問題を気にせずに済む
録画したビデオテープを視聴するには、デッキが不可欠です。ベータ方式のビデオデッキは2002年に終了しており、広く普及していたVHSのデッキも、2016年7月をもって終了しました。つまり、新しいデッキや修理用パーツの入手は今後ますます困難となり、現在所有するデッキが故障すれば、その時点でテープを見られなくなる確率が高いことになります。
一方、DVDは現在のところプレーヤーを簡単に入手できるだけでなく、パソコンでも再生できるケースが多くなっています。こうした点についても、ダビングのメリットに含められます。